~希望に縋って、狂った歯車は動き出す~
※お詫びと訂正:話の流れを整理したところ、タイトルと中身が一致しなかったので、タイトル・副題を変更してお送りします。
西暦2017年、金の魔力に魅入られてしまった結果、平凡な一般人から、札束の妄執に取りつかれた投資家が誕生してしまいました。
それはほんの小さなきっかけでしたが、世のサラリーマンの多くが持つ想いが、彼にそうさせてしまったとも言えます。
働きたくないでござる…
楽して儲けて遊び暮らしたいでござる…
常々彼はそう思っていました。
そしてFXを始めれば、金は儲かって、投資家カッコイイ!と思われてモテモテになるに違いない!
特に根拠もなく、そんな夢を思い描いていました。儲けた時の妄想をしながら心はウッキウキでした。
ところが残念ながら彼に現実が立ちはだかります。
それは投資をするには元手が必要であるという事実。ゼロから1は生まれることはないのです。
彼は一攫千金を得る事の出来る1を100にする魔法の手段であり、
自分がモテモテになる希望、それがFXだと信じていました。
繰り返しますが、根拠は特にありませんでした。
金を儲けてモテモテになるために必要な最初の投資…
そうだ、どうせ稼ぐなら元手がいっぱいあったほうが良いに違いない!
そう考えて彼は一気に手元のお金を投入することに決めました。
汗水垂らして働いて、努力の末に貯め切った血と汗の結晶、
彼の1年分の年収に相当する圧倒的な貯蓄を全て。
それは、自分が大きな病気や怪我で困った時の備えとして貯めていたお金です。
FXを始めるまで、彼は実に堅実な生き物でした。
しかし根拠のない希望に縋り、夢想に耽った投資家の
人生の歯車はここから狂い始めたのでした。
次回、第2話「相場との戦い~寝てたらお金が増えていた~」
養分の歴史がまた1ページ…